自分的にちょうどタイムリーな記事だったのでちょっと載せてみました。
イメージ覆す…「陰湿な目」に反発 フランス革命ロベスピエール 顔復元フランス革命と言えば恐怖政治のことを学校の授業で習った人間は多いでしょうが、その中心人物であるロベスピエールの顔が復元されたと言う話題です。どうやら目つきが悪いとか、今までの印象とは異なるものになったようで、それを批判する人間がフランス国内にも大勢いるということらしいですね。
今から考えると恐怖政治自体がフランス革命の終了を早めたような気もするし、ナポレオンが活躍できる、あるいはそうした英雄的人間の登場を民衆が待ち望む下地を作ったように感じますが、それら詳しい歴史の話は自分にはとても無理なので、そもそもなぜ自分的にタイムリーなのかと言う話をします。
フランス革命を扱った漫画というのは実は結構な数があって、その中でも自分が気に入っている漫画の一つが倉多江美の「
静粛に・天才只今勉強中!
」です。
題材をフランス革命にとって、激動の時代を生き抜いた一人の人間を主人公にしていますが、この主人公がなかなか一筋縄ではいかない人間として描かれています。時代としてはフランス革命勃発以前からナポレオンがロシアで大敗するまでの期間をたっぷりと描いているので、読み応えとしてはかなりのものでしょう。
一応主人公コティのモデルがフーシェと言う人物らしいのですが、そのあたりは歴史をしっかり勉強することでこの漫画がより面白く楽しめるでしょう。実は今度の記事を目にしたのがちょうどそのマンガを読んでいる最中だったので、とりあえず記事にしてみようと思ったわけです。
漫画の中に出てくるロベスピエールと言う人物は融通が利かない真面目な法律家に描かれていますが、その融通の利かなさが法律を厳格に適用しすぎた結果あのような恐怖政治へと突き進むことになったと描かれています。日本でも元の濁りの田沼恋しきと言う歌がありますが、民衆を信じ彼らと共に理想社会を作ろうとした清廉潔白な人間と言うのは、どうも洋の東西や時代を問わずろくな死に方をしないように感じますね。
そういえばフランス革命とは関係ありませんが、カムイ伝の主人公である正助もそういった最後を感じさせる終わり方でしたね。カムイ伝の作者である白土三平がどの程度フランス革命を参考にしたのか分かりませんが、一揆の話を作る際には当然国内外の革命や暴動、フランス革命や秩父困民党の事件などは調べたでしょうから、カムイ伝の終わりとフランス革命を対比することはあながち無理筋とは言えないように思います。
それはともかく今回ロベスピエールの復元顔についてどうも印象がよくないという意見は、そうした清廉潔白な人間がこんな顔のはずがないという、微妙に問題のある意識からきているようにも感じます。考えると陰湿な目というのがどんな目なのか良く分からないし、そもそも復元した顔が本当に正しいものなのかもはっきりしないのだから、あまり目くじらを立てる必要も無いように感じますね。
むしろ革命と言うものに対して根拠のない夢を持たないためにも、美形の人間が指導したというよりは陰湿な目の男が指導したというほうがまだましと言うものです。重要なのはロベスピエールが何をなしたのかと言うことなのであって、彼の顔がどうだとか、いまさらどうでもいい話ではないかと思うわけです。